RRRあれこれ

まず

トップガンマーヴェリックの次はRRRを何回も観に行っている訳ですが、感想とか様々な記事は様々な方が書いておられるのでリンク集を作りたいと思います。

概要

詳細はRRRのwiki見てください
日本での公開は2022年10月、そのころはまだマーヴェリック結構見てた。2023年になっても結構上映している映画館があり、
IMAXでも上映していたので、2月に見に行ってみる。で、ハマる。

RRR感想など

1回目

ものすごい見せ場の連続で展開するアクション、インドダンス映画。血が多い。
人がものすごいぶっ飛ぶ。主人公のラーマ、ビームとラーマのお父さんぐらいはわかるが、その他の人との関係まではよく理解できない部分が多い。
エンディングが主人公二人とキャストのダンス。エンドロールは右端に細くなって流れている。これはびっくり。

2回

通販でパンフレットを買って、見てみる。エンディングに出てくる人達はインド各地の解放運動のリーダーだった。
調べてみると、エンディングに監督が出てる。そういえばキャストじゃない人出てると思ったけど、誰かは認識できていなかった。

3回目以降

色々なサイト、YouTubeのレビュー等を見てみた。
色々なレビュー動画があるが、おそらく多くは信じられない展開と、クライマックスの多さ、尺3時間、エンターテインメント性等の感想が多いような感じだったが、その中でインド神話に詳しいゲストを招いて、この映画にブッ込まれているインド神話叙事詩について説明してくれている動画があった。
RRRはこう見ろ!二つのインド神話に描かれた最高映画のルーツ
これが大変面白く、ほかの映画レビューとかの「とにかく凄い」系の感想ではなく、インドの人が受ける感じを説明していて非常に興味深かった。
つまり、インドの人は日本や欧米の人の楽しみに加えて、もっと盛り上がる要素がその下に隠れていると。
(ごく浅い知識なので間違っていたらご指摘お願いします。)
なるほど。うな丼かと思ったら、インドの人は既にその下にかつ丼があることが分かってるのね。。そんな感じ。

インドで超メジャーな叙事詩ラーマーヤナ」「マハーバーラタ(バガヴァッド・ギーター)」のヒーローが二人分突っ込まれている。

マハーバーラタ(バガヴァッド・ギーター)

  • ラーマ側:弓の名手アルジュナ(こちらは三男)
  • ビーム側:ビーマ王子(こちらは次男) → 大食漢

ラーマーヤナ

  • ラーマ側:ラーマ王子(そのまま) → 弓の名手、尽きない矢筒
  • ビーム側:ハヌマーン → ラーマ王子超大好き、怪力、大飯食らい、薬草の調合得意
  • シータ側:シータ姫

映画前半ラーマ、ビーム(アクタル)出会いの後、「ラーマ王子とシータ姫か」ってビームが言うシーン。
ここもインドの人にとっては超メジャーな物語とのリンクを主人公自身が紹介しちゃってる。
映画の後半ビーム救出の後、アルジュナ像?の前でラーマが弓と矢を見て「ニヤリ」とするシーン、お供えしてある赤い粉を寝ているラーマの額につける。
ヒンドゥー教の祝福の印。この主人公自身が映画の中で叙事詩ベースの仕込みを見て神を確信してニヤリとするシーン。
モデルとなったラーマ・ラージュも名前のラーマから「不死身」と思われていたらしい。ビームはあのアルジュナ?ラーマ?像を見て、
「やっぱラーマ王子じゃん。。神来たじゃん。。」と思っての表情なのかなと。うーん。あの表情の時の心境聞いてみたい。
ちなみにこの祝福はシータがラーマの出発を祝福するシーンでもやってますよね。
祠にあるオレンジの旗をもぎ取って、ラーマに着せる。様々なイラストでもラーマ王子はオレンジとか黄色の衣装をまとっている。
インドの国旗の一番上オレンジは「勇気と 犠牲」。。もう突っ込み過ぎでしょ。

この感覚は最初は分からなかった!インドの人は各所で大興奮なんだろうな。日本ではこういう誰でも知ってるしかも宗教に根付いた物語で、過去にもさんざん映画とかになってるような物語というものがないので、同じように説明するのが難しい。
桃太郎は宗教的な意味合いが薄いし、戦国武将は革命とは遠いし、日本書紀は物語性がそれほど濃くないし。
でも確かなのはインドの人は3倍、4倍のワクワク感、盛り上がりを感じていそうだということ。

後は、ビームが牢屋でスコットに言うセリフ「責務は行為の過程にあり、その結果に非ず」みたいな感じ。
これもバガヴァッド・ギーターのメジャーな教えの一つだそうです。

それから一般的な説明では実在のインドの解放運動の指導者「コムラム・ビーム」「アッルーリ・シータラーマ・ラージュ」がモデルということがこの映画自体の軸になっています。
モデルとされる「アッルーリ・シータラーマ・ラージュ」はアーンドラ・プラデーシュ州出身(ハイデラバードの下の州)。「コムラム・ビーム」は旧ニザーム藩王国、テランガーナ州出身、ハイデラバードで活躍。
ラーマ演じるラーム・チャランさんは「タミル・ナードゥ州」出身、ビーム演じるNTR Jr.さんは「アーンドラ・プラデーシュ州」出身のトリウッドスター。
南インドの2大スターを突っ込んできたわけです。
盛り上がらない訳がないほどの盛り込み方。

泣けるシーンについて

観てる方それぞれ泣けるシーンはあると思いますが、個人的な感想を。
初回見たときは、ラーマの生い立ちの回想シーンが結構キツイ感じもした。何回か見るうちに、ラーマの辛い出生はもちろん重要なのだけど、
「坊や」としか呼ばれていないラーマ弟(イギリス側に殺されてしまう)とビームを重ねるという役割があり、あの橋で偶然運命的な出会いを果たした
アクタル。何かにつけて「兄貴」「兄貴」と慕ってくれる。まるであの弟の生まれかわりのように。
左手で物食っちゃってお母さんに叱られるし、力持ち、誰にでも優しい、ハヌマーンみたいだな。
そのビーム(アクタル)とマンディ
ogugourmet.com
(イエメンの料理で、ビリヤニみたいな感じ。うまそう。)
をビームがかくまってもらってる家で、ラーマも一緒に食べるシーン。左手でチャパティみたいなパン(これはチャパティではなくホブズではないかと思います。)
を食って、かくまってもらってる家のおかあさんに叱られてしまう。昔を思い出して懐かしくなってしまうラーマ。
ここですよ。この瞬間。ビームを弟の生まれ変わりのように見てしまっているのですよ。
思い出しただけで、泣けてくる。。

recipe.tirakita.com

言語

リンク先でもっと見識のある方が色々考察されているので、詳細はリンク先をご覧ください。
印象に残る場面はやはり、毒蛇の解毒を施し、ビームが自分の正体をラーマに明かすシーン。
それまで、字幕は「兄貴」となっているけどほとんど「Bhaiyaバヤ」と呼んでいますが、このシーンになって
「Annaアンナ(テルグ語)」に変わります。

物語最初の方で、活動家の集会にラーマが参加しているシーンもテルグ語(?)で何か語りかけると、
通訳っぽい人が多分ヒンディに訳して会場の人に伝えてる。
ビームがむち打ちの刑にされることを町で告知するシーンも、むち打ちの最中も同じように通訳されている模様。
あとはラーマとビームを追ってきたエドワードと軍隊。ここでも「Hold on shooting!!!!!!」ってエドワードが叫んでるけど、
現地採用の軍隊/警察の人たちはヒンディしかわからないので、いつもの通訳の人がヒンディで呼びかけないと、撃ち方やめないw。
その辺現地での様子の再現なんだろうな。
なんせインドは今でも公用語が20ぐらいあるらしいので、大変そうです。
このRRRを見て「テルグ語」が一気にメジャーになりましたね。それまではヒンディとタミル語ぐらいしか名前を知りませんでした。

とりあえず、今日はここまで。
また面白いポイントがあったら書き足します。